go to top
TOP > ニュース
ニュース

2019.03.19

デジタルファースト法案概要

share

デジタルファースト法案

 政府は15日、行政手続きを原則オンライン化に統一する「デジタルファースト法案」を閣議決定しました(これに伴い住民基本台帳法やマイナンバー法を一括で改正する予定です)。
 法案は基本原則として、(1)個々の手続きをオンラインで完結させる「デジタルファースト」(2)同じ情報の提供を何度も求めない「ワンスオンリー」(3)複数の手続きを一度で終わらせる「コネクテッドワンストップ」-を掲げています。
 政府は約5万件あると言われている行政手続きのうち、どの手続きからオンライン化するのかの指針を「情報システム整備計画」を作成して明記する予定です。現時点では引っ越しの際に転入届を自宅のパソコンやスマートフォンで提出することで、連動して電気、ガス、水道の移転手続きも済むようにすることをはじめとして、法人設立や納税に関する申請をインターネット上で完結できるようにする方針です。また、行政機関の間で情報共有を図り、添付書類を基本的に撤廃することも目指す考えです。
 各種申請の本人確認にはマイナンバーカードを活用する予定ですが、取得率が1割程度にとどまっている現状があります。菅義偉官房長官は15日午前の記者会見で、マイナンバーに関し「国民に利用されないとすれば利便性向上、経済の生産性向上の機会が阻害されることになる」と述べ、普及に努める方針を表明しました。具体的にこの現状を改善するために政府は、マイナンバーカード代わりに個人番号を一人一人に知らせる紙製の「通知カード」は廃止する考えです。
 また、法案にはパソコンやスマートフォンに不慣れな高齢者を支援する方針も盛り込まれています。デジタルガバメントとして有名なエストニアでは、デジタルガバメントを目指す過程で「誰も取り残さない」ことを意識することで、20年かけてデジタルガバメントと呼ばれるようになりました。
 デジタルファースト法案の成立によって利用者の手間が減り、行政の効率化につながります。政府は今回の法案を土台に、将来的には不動産契約など民間同士の手続きもネット上で済ませる改革も検討しており、社会全体のデジタル化を進める方針です。