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活動報告

2019.01.29

行政書士ネットワークとは

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■新領域にチャレンジする専門家チーム

 現在ほど行政領域の専門家のニーズが高い時代はありません。インターネットというインフラの変革によって、多くのビジネスモデルは変化し、規制の在り方も今、見直されています。
「法令」と「現実」が最も乖離している現在こそ、その専門性を高めて、新しい領域に挑戦するイノベーション企業のブレーンとして活躍の幅を拡げるチャンスです。
 行政書士ネットワークのメンバーには、これからのマーケットで法律の専門家として活躍の幅を拡げていただきたいと思います。

(株)ジーネット代表取締役 黒沢 怜央

■「行政書士」という業界について

 遡れば、江戸時代や明治初期の「代書人」制度から始まる仕事ですが、ここでは平成以降の「行政書士」業界の動向についてです。この平成期にも、大きく3ステージの変化があったと考えています。  

【平成/行政書士業界の変化】
1.0→2.0→3.0
4.0

   まず大きな変化として挙げられますのが、士業の「報酬規程」の廃止です。
 公正取引委員会が平成13年に公表した以下の考え方が土台になっていますが、これにより価格について自由競争の時代に突入します。
https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/shikakusha.html

   価格競争について、ダンピングをする士業がいるとか、ネット上で広告をする士業をよく悪く言う方もいるのですが、それも含めて消費者の選択だと思いますので、安く良いサービスが提供できて、その事務所も潤って活性化されるのであれば、それはビジネスモデルと勝利としか言いようがありません。

 

 自由競争に拍車をかけたのがインフラの変化です。
インターネットの急速な普及に伴い、ホームページやSNSなどネット上で自身の広告や表現が自由にできる時代になりました。

 2008年にはアップル社からiphoneが日本でも発売され、携帯電話からスマートフォンへモバイルの変化が進むことで、今やインターネットは私たちの生活に欠かせないものになりました。

   以前は、専門士業しかアクセスできなかった情報についても簡単にアクセスができますし、役所のHPではかなり詳細な手引きを発行しています。
要するに、残念ながら、既得権益的な専門性が崩壊したと言ってよいと思います。

 また、平成16年の行政書士法改正により行政書士法人を設立することが可能になりました。
今までは法人化できなかったわけですから、数人の個人事務所で活動するしかなかったわけです。(もちろん、株式会社なども併設する形で経営されているところもいくつか以前から存在しましたが)

   このような変化の中、インフラの変化に対応しつつ、法人化(行政書士法人、株式会社等)して、「行政書士」領域のサービスを提供する行政書士がステージ2(2.0)と位置づけています。  

 さらに、以前よりもその専門性に価値を感じづらい時代に突入したとすれば、消費者はどこに価値を感じるのかということです。  

 上記で、「既得権権益的な専門性が崩壊した」という表現を使いましたが、実際インターネットによって検索できる情報やアクセスできるものは限界がありますし、本来的な意味での理解が出来ない方は今後も増えます。
その意味では、行政法規が読めて、手続き(現場)に詳しい専門家の知見は非常に価値があります。

 ただし、その価値が一般の方には伝わりづらい時代だということです。
伝わりづらければ、当然そこに対価を支払う方も少なくなりますし、ビジネスとして成立しにくい状況が発生します。

 それでは消費者が価値を感じやすいのはどのような場合なのか?
それは一つは、一定のトランザクションが発生している状況で、それをワンクリックで解決できるサービスが目の前にある場合でしょう。

 「相続」は分かりやすいかもしれません。
戸籍謄本を揃え、財産目録を作成し、遺産分割協議書を取りまとめ、金融機関の手続きを行い、不動産の名義変更をし、車の名義変更をして、年金の手続きも済ませ、税務申告をする。

 よく士業事務所で使う「ワンストップサービス」は、連携の取れる他士業を紹介し合うだけのサービスであることが多く、確かにこれでもかなり助かるのですが、本当の意味でのワンストップサービスを開始した法人にはかなわなくなっていくでしょう。

 

 ステージ3(3.0)は、その法人で、行政書士業務も司法書士業務も社労士業務も弁護士業務も担えてしまう状況だと考えています。
これは相当程度の資金力が必要ですし、ハードルはかなり高いと思います。
ただし、このような事務所がいくつかできれば、当然、そこに価値を感じますので、個人商店からお客さんが離れていくように、個人事務所は勝ち目が無くなってきます。

 ステージ4(4.0)についてが、我々が考える士業のあり方になります。こちらにつきましては、代表の黒沢が講演会などでお話しさせていただく機会も今年も多くありそうなので、その際にお話しできればとおもいます。

 厳しい時代ですが、これだけ競争があるからこそ、面白いものを創り出すことができると思いますし、優れた「人」にも出会えると思っています。楽しむしかありません!


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