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コラム

2019.02.27

テジタルファースト法案と行政書士

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 今年の通常国会に提出される予定で、我々の行政書士業務にも深く関係してくるであろう「デジタルファースト法案」について、詳しく見ていこうと思います。


1
デジタルファーストとは

 そもそも、デジタルファーストとは何なのでしょうか?
 大辞泉には、「従来、印刷物として提供されていた新聞・雑誌・書籍を、初めから電子出版の形式で提供すること」と定義されています。
 その他、「ビジネスにおいてデジタル化を優先し、各業務や活動に取り組むという概念」とも解釈されます。
 政府が提唱するデジタルファーストは、後者の意味合いが強いでしょう。

2
デジタルファースト法案とは

 本法案は、業務改革の徹底とデジタル化の推進による利用者中心の行政サービスの実現を目的としています。
 政府は、「2020年までに、世界銀行のビジネス環境ランキングにおいて、日本が先進国3位以内に入る。」というKPIを掲げていますが、同ランキングは2017年10月時点で24位と目標を大きく下回っています(2018年10月時点では39位と更に下落)。
 この要因の1つが、行政部門が旧態依然としたアナログ型行政を続けている状況であると考え、デジタル社会の基盤整備を本格的に目指すことになったのです。

3
法案の内容とは

法案の主な内容は、下記3点です。

①行政手続のオンライン化の徹底
・行政手続のオンライン原則
・本人確認手法のデジタル化

②添付書類の撤廃
・行政機関間の情報連携等による添付書類の省略
・添付書類のデジタル化

③デジタル化を実現するためのシステム整備等
・オンライン化及び添付書類の撤廃のためのシステム基盤の整備
・システム整備に当たってのAPIの整備及び活用
・デジタル化に当たってのデジタル・デバイドへの配慮

4
おわりに

 各種行政手続のオンライン化によって、自治体の処理方法や書類様式が統一され、業務効率や生産性が向上することが期待されています。
 特に、上記①「行政手続のオンライン化の徹底」については、我々行政書士にとって影響が大きいでしょう。
 一方で、デジタルファーストの本質を見失わないことも重要です。何でもかんでもデジタル化するのではなく、業務効率や顧客満足度の向上が期待できる手続を選別してデジタル化することが大切でしょう。